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センター試験数学B第5問「確率・統計」が解きやすい理由

センター試験数学B第5問「確率・統計」が解きやすい理由

はじめに

「確率分布と統計的な推測」はおかげさまで順調に売れていて,twitterなどの口コミも評判が良いようだ。

「センター試験数学2Bの第5問『確率・統計』は確かに過去二年は易しかったが,来年は難しくなるかも知れない」と危惧する人もいるが,その心配はない。理由を述べよう。

理由1.数学Aの知識を使う確率は出せない

数学A「場合の数・確率」での確率が難しかったと思う人は,どういう点が難しかったか思い出してみよう。

  1. 順列と組合せの使い分けが難しかった。
  2. 条件付き確率と普通の確率の違いが分かりにくかった。

などであろう。しかし,こういうことはすべて数学2Bでは出せない。数学Aは必須科目ではないからだ。だから,数学B「確率・統計」での確率は簡単なものしか出せない。

実際,センター数学2B第5問での確率は
・2015年は白球4個と赤球3個から同時に3個取り出すときの確率
・2016年は独立試行の確率(これは出せる)
であり,このレベルが限界だ。(出題者は教科書をよく分析して作問していると感心する。)

これ以上難しくするには数学A「場合の数・確率」でのテクニックが必要になってしまい,教科書の範囲を逸脱してしまうから,あり得ない。

理由2.数学Bの統計は,誰でもできるべき処理を扱う

数学B「確率・統計」で扱う統計の手法は,統計を学ぶ者が全員身につけることが可能なことばかりなのだ。

例えば,データからその平均や分散を求めるというのは,誰でもできるはずのことだ。

これは数学Aの「そもそも確率を求めることが難しい」というような問題との大きな違いだ。

実際に統計が使われる場合に難しい点は

  1.  どういうデータを集めるか
  2. それをどうやって集めるか
  3. 集めたデータからどう言う意味を読み取るか

などだが,こんな難しいことは数学Bでは議論しない。何をやるかと言えば,公式を当てはめればよいだけ

  1. 平均や分散を求める
  2. 正規分布表を読む
  3. 母平均や母比率を推定する

などだ。勉強すれば誰でもできるはずのことだ。

終わりに

昔の高校の統計では「仮説検定」というかなり難しいことまでやった時代があり,その後「さすがにそれはやり過ぎ」と反省したのか「正規分布表などの統計らしい部分をやらない」と極端に内容を削った。

でもそれは逆に削りすぎというので,今回の「正規分布表を読ませる」に焦点を当てた単元の構成になっている。

これからの若者は文理を問わず統計に親しむことが重要であることを踏まえての数学B「確率・統計」である。統計学者の期待に応えて正規分布表を読みこなす力を身に付け,ついでにセンター試験で20点満点をゲットしようではないか。(^^)v

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  1. 早速買って、全統マーク模試で腕試しさせていただきました。計算ミスがあったものの、いい点数を取ることが出来ました。買ってよかったです!
    ただ、1つ疑問点があります。母比率に対する信頼度についてです。先生の著書やマーク模試などでは、ほとんど信頼度が95%あるいは99%なのはなぜですか?確かに信頼度が低すぎるのは統計として成り立たないとは思うのですが、センター本番で信頼度が異なる可能性はあると思いますか?

    ご返事宜しくお願い申し上げます。

    • KFさん,こんにちは。マーク模試で役に立ったようで良かったです。(^^)

      >先生の著書やマーク模試などでは、ほとんど信頼度が95%あるいは99%なのはなぜですか?

      それは統計の習慣です。(^_^;)
      ですから,センター試験でも扱われる信頼度は95%とか99%だと思いますよ。
      センター試験の確率・統計を作るのは統計学者だそうですから,実際の統計で使わないような不自然な信頼度は出題しないと思います。

      ただ,もしかしたら97%はあるかも知れません。正規分布表で\(z_0=2.17\)に対する値がちょうど
      \(\displaystyle 0.4850=\frac{0.97}2\)
      になり(正規分布表にその値がありますね)問題にしやすいですから。

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